役職廃止 若い社員に活力 (読売新聞 四国経済)
- 2010年4月30日 読売新聞(四国経済)より -
- YOMIURI ONLINEより -
巡礼に魅せられて、4年前に入社した野瀬章史(29)は、歩き遍路ツアーで先達を務める。以前は京都の建設会社に勤めていた。25歳の時、休暇を 使って38日間で結願(けちがん)すると、四国に 移り住みたいと転職してきた。入社直後の添乗で、「若い君に巡礼の意味がわかるか」と客にいぶかられると一念発起。第六番札所・安楽寺(徳島県)で修行、 僧籍を取った。「社員先達」として活躍している。
3年前に父から社長を継いだ時、役職制を廃止し、給料の一部を社員相互の評価で決める方式を導入した。さらに社員同士が、姓に「さん」を付けて呼 ぶよう意識付けた。社員17人の平均年齢は33歳と若い。上司にアピールするだけの商品企画ではなく、アイデアを活発に出し合える組織にしたいと考えた。
主力のバスツアーは行き先が決まっており、既製服を売るのと同じ難しさがある。それだけに、客が望んでいることを先回りしてとらえる必要がある。 異業種の動向にも敏感になり、これからも知られざる四国の魅力を伝え、新しい旅のかたちを探り続けたい。
- 2010年4月30日 読売新聞(四国経済)より -