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2018-11-20
MEDIA
ラーメンやうどんといった「ご当地グルメ」の名物店を精通する運転手が案内するタクシーの導入が各地で相次いでいる。人口減に伴いタクシー利用が減少傾向にある中、サービスを強化することで集客増につなげる狙い。外国人を含む観光客の需要を取り込もうと各社が知恵を絞っている。
好評
「短時間で多くの店を回れると好評だ」。豚骨ラーメンが有名な福岡市で、低料金で借り切れる「らーめんタクシー」を2005年から続ける大稲自動車の担当者はこう話す。運転手は、事前登録された市内約40店から、客の好みに応じて4店ほどを選び案内する。店側も麺の量を半分にしたメニューを用意し、利用者に配慮している。
中越交通(新潟県)は17年、同県燕市の「燕背脂ラーメン」の店の紹介を開始。地場産業の洋食器の工場見学も盛り込む。札幌市でも市内20店のラーメンを食べ歩き、試食リポートを提出した運転手を案内役に認定する事業が今年始まった。
余地
ただ、想定通りに集客が伸びていない事例も。12年に「和歌山ラーメン」の案内役を認定する事業を始めた和歌山市のタクシー会社は「数杯のラーメンを食べるため、高い移動費を払う客はそんなにいなかった」と明かす。市によると、ここ数年は利用実績がなく、認定も途絶えたという。
うどんの名店を回るタクシーを展開する琴平バスの担当者は「観光地に行ってタクシーを利用するスタイルはまだ定着していない」としながらも、交通の便が良くない店を巡るなどの工夫で「収益拡大の余地がある」と前を向く。
躍起
国土交通省によると、全国のタクシーなどの輸送人員は06年度の約22億900万人から16年度は約14億5200万人と3割以上減少。乗務員不足も影を落とし、すしタクシーを運行するオリエンタル(金沢市)の小路昌弘社長は「少しでもイメージを向上させ若者を確保したい」と語る。
各地のタクシー会社は今年7月、「日本ご当地タクシー協会」を設立し、認知度向上に躍起だ。ニッセイ基礎研究所の井上智紀主任研究員は「外国人客などを取り込めるかが重要だ。ドライバーのもてなしなどで感動体験を提供できるかが鍵になる」と指摘する。
2018年11月20日 四国新聞より
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