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2019-04-09
MEDIA
瀬戸内国際芸術祭2019の開幕を26日に控え、地元企業が国内外からの観光客向けの新サービスを次々と打ち出している。舞台となる瀬戸内の島々を自由に巡るためにクルーザーを貸し出したり訪日客の子供を預かったり。100万人超と期待される訪問客一人ひとりに芸術祭を楽しめる機会を提供することを新たな商機につなけ、地域活性化に生かしていく。
クルーザーの貸し出しは船舶整備のイシマルや香川証券、ネッツトヨタ高松(いずれも高松市)などが設立した瀬戸内アイランドクルーズ(同)が15日から始める。全長13メートルのクルーザーを3艇用意した。10人までのグループで利用でき操縦士とクルーの2人が一緒に乗船する。料金は2時間で8万6400円から。
行き先は自由に決めることができる。直島、男木島、女木島を周遊するルートなど、複数のプランも準備している。高松市の飲食店と連携し、船内で食事や飲み物を提供できるようにする。
フェリーなどの定期便は、旅程が船の時間に大きく制限されてしまう。海上移動の自由度を高めつつ、クルーザーの貸し切りで非日常感を演出することによって、国内外からの観光客の需要を取り込む。訪日客対応として英語や中国語表記のホームベージを準備し、予約から決済までできるようにする。
前回の瀬戸芸では104万人が来場し、このうち13.4%が外国人だった。香港、台湾などからの来場者が多いが、外国人の中に占める欧米やオーストラリアの割合は2割を超えた。今回は欧米のメディアが相次ぎ瀬戸芸を取り上げており、アジア以外の来場者がさらに増えるとみられる。
こうした状況を見据え、英語の学童保育を展開するプライスレス・コミュニケーションズ(高松市)は4月中旬から、外国人観光客の子供を預かるサービスを始める。4~12歳の英語を理解できる子供が対象で、1日に3人程度を預かる。
欧米や豪州からの観光客は滞在期間か長く、夫婦水入らずで瀬戸内を楽しむことができるようにと企画した。料金は税抜き1万5千~2万円。預かった子供には折り紙やけん玉など日本の遊びを体験してもらう。
多くの外国人が訪れる瀬戸芸は、既存事業をアピールし、20年の東京五輪・パラリンピックや25年の大阪で開く国際博覧会(大阪・関西万博)につなげるチャンスだ。琴平バス(香川県琴平町)はうどん店を巡る観光夕クシー「うどんタクシー」に、英語を得意とする女性運転手、多田純さんを配置した。
多田さんは英会話教室の講師から、観光業に携わりたいと同社に転職。うどんのすすり方やラーメンとの違いなどを英語で分かりやすく説明することが期待されており、「UDON」の魅力を外国人に知ってもらおうと香川の街を走る。
(辻征弥、櫻木浩己)
2019年4月9日 日本経済新聞より
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