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2024-05-14
MEDIA
香川県琴平町は「こんぴらさん」として親しまれる金刀比羅宮を擁する。県内屈指の観光地だが、新型コロナウイルス禍で客足が遠のいた。再生に向け民間主導で滞在型の宿泊施設やイベントなどソフト・ハードの整備が進む。「一生に一度はこんぴらさん」といわれてきた琴平町は、「一生に何度でも」行きたい観光地をめざす。
金刀比羅宮の表参道で2月末、場所や時間にとらわれず働く「デジタルノマド」を主なターゲットとする施設が開業した。簡易キッチンやランドリーなど長期滞在に合わせた設備を備える。ドミトリーと1~2人部屋があり1泊3500円から宿泊できる。
運営するのは地元の琴平バス(香川県琴平町)だ。自社用地で長い間空きビルとなっていた建物を利用した。同社の楠木泰二朗社長は「琴平をデジタルノマドの聖地にしたい」と意気込む。
建物の入り口には交流フロアを設けた。有料のコワーキングスペースも整備中で、5月内には営業を始める。屋上にはサウナも設けるなど宿泊者の様々なニーズに応える。オープンから約2カ月、一般客で100人以上の外国人が宿泊した。
イベント開催にも力を入れる。このほど台湾のスタートアップ企業と共同で、相互に1週間ずつ滞在者を受け入れるプログラムに参画した。台湾から琴平に来た参加者には米IT(情報技術)大手のメタやグーグルのエンジニアもいたという。
表参道の近くにある新町商店街では空き店舗の再生が進む。パソナグループ傘下の地方創生(東京・港)が20年に旧ブティックを文具店として新装開店したのを皮切りに、23年には陶器販売店をブルワリーにしてオープンした。
今冬にはホテルを開業する。時計店やクリーニング店だった建物を改修、四国4県のお茶を提供するカフェやベーグル店を併設する。同社の近江淳社長は「地域を丸ごとホテルにするイメージで地元の人と宿泊者の交流を深めたい」と話す。
楠木社長と近江社長は誘客でタッグも組む。商店街では22年から毎月10日に表参道や周辺の飲食店が限定メニューを提供する「こんぴら十帖」を始めた。月初めに伊勢神宮を参拝する「朔日(ついたち)参り」にヒントを得て、人気企画に育てる考えだ。
両氏は運営の事務局メンバーとして参加する。限定うどんを名物とすべく、イタリアンレストランのシェフの協力を得るため一緒に山形県を訪れたこともあった。
琴平町の入り込み客数は1988年に年間500万人を超えたが、その後は減少が続き、新型コロナ禍では100万人を切った。
楠木社長ら有志がめざすのは、コロナ禍を経た琴平町を新たな体験を提供する観光地として進化させること。「観光地から滞在地へ」(楠木社長)を合言葉に、今後も新たな企画を続々と仕掛けるつもりだ。
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